ハノイから8時間半かけて、ムウカンチャイにやってきた。
街のメインストリート。
街にはスーパーのようなものはなく、小さな個人商店が2.3件あるだけ。
よほど旅行者が珍しいのか、通りを歩いているだけでものすごい視線を感じる。
軽く会釈したり笑顔を見せると、相手もニコッと微笑んでくれる。
嬉しい。
今日の宿は、名前はゲストハウスとなっているが、実際のところはホームステイのような感じだ。
オーナーは優しそうなご夫婦。
着いてすぐに部屋へ案内してくれた。
部屋からの風景。
通りと並行するように川が流れている。
よく見ると牛がいる。
川の対岸からの風景。
こうして見ると山あいの小さな町という感じ。
左のほうにある水色の屋根の家が今日の宿だ。
匂いというか雰囲気がとても懐かしい。
日本の田舎に帰ってきた感じがする。
朝から何も食べていないせいか、急にお腹が空いてきた。
買っておいた即席うどんを持って、オーナーの部屋へ行ってみた。
そして、うどんを見せながら「お湯をもらうことはできませんか?」と、精一杯のジェスチャーで伝える。
すぐに理解してくれたらしい。
すると、同じ単語を歌うように繰り返しながら台所へと消えていった。
後で調べてみると、その単語は「ご飯」という意味だった。
愉快なお父さん。
後を追うと台所でお湯を沸かしていてくれた。
うどんの袋を開けようとすると、横からお父さんがそれを取り上げ包丁を使って豪快に袋を裂いた。
気合い入ってる。
そして粉末スープを見て「だめだ。これじゃしょっぱすぎる」と言って、半分を捨ててもう半分を器に入れた。
そして、お湯を注ぎお皿で蓋をすると、お父さんはまた「ご飯、ご飯」と満足そうに歌いながら、消えていった。
その夜、激しい雷で街全体が停電した。
街灯の少ないメインストリートは真っ暗になった。
こんなに激しい雷は今まで経験したことがない。
片時をと止むことなく光り続けている。
それなのに音は一切聞こえない。
街灯がなくても雷の光で辺りが見える。
ぼーっと通りを見ている、お父さんが後ろからやってきて「早くこれを持って部屋に戻りなさい」と、小さなキャンドルを一つくれた。
とりあえず渡されたキャンドルを部屋の隅に置いてビールを飲んだ。
うん、悪くない。
早く寝よう。
明日はいよいよ棚田を見に行く。