飛行機に乗り遅れかける。

大理から先の予定はこうだ。

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5/30  22:00  大理駅
    ↓
5/31  5:00    昆明駅

   15:00  昆明国際空港
    ↓
   17:00  香港国際空港   

大理から寝台列車で7時間かけ、昆明に移動する。
昆明には早朝に着くので、そのまま空港に移動して香港へ飛ぶ。

昆明で一泊してから空港へ行くことも考えたが、車中泊してそのまま空港へ行った方が時間的にも金銭的にも無駄がなかったのでこうした。

中国にはビザの関係上、6月1日までしかいられない。
ギリギリまでいても良かったが、念のため5月31日に昆明から香港に抜けることにした。

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5/31  21:50  香港国際空港
    ↓
6/1    0:20    コルカタ国際空港

香港で4時間の乗り継ぎの後、インドのコルカタに飛ぶ。
コルカタには夜中に着くので空港泊。

車中泊に続き空港泊だが、まあ仕方ない。
とりあえずここまでは確定していたので、寝台列車と飛行機のチケットは事前に取っておいた。

で、この計画通りに行動するならば、まず5月30日の夕方には出発の準備をして夜に大理駅に向かわなくてはならない。

しかし、何を血迷ったのか5月30日の夜、普通に大理に泊まってしまった。
事態に気付いたのは31日の朝。

何気なくCが列車のチケットを見て

「あれ?今日って30日だっけ?」

「いや、30日だよ。何で?」

「あっ・・・。」

と言ったことで気が付いた。
この瞬間、一気に血の気が引いたことを覚えている。

さらっと名前を出したが、自分は今二人で旅をしている。
旅に出て二ヶ月、もう一人は全くと言ってブログに登場しなかったのが、Cという人とふたりたび中。

そこからはもうパニック状態だ。
事態の緊急性や切迫した感じを伝えるのは苦手だが、それはそれはもう慌てふためいていた。
自分だけが。

列車のチケットは諦めるとしても、飛行機には何とか乗りたい。
時刻は9時50分。
すぐに大理から昆明のフライトを調べる。

すると、
12:00 大理発 ー 13:00 昆明着 
があった。
しかも残り2席。

これなら 15:00 昆明発に間に合うかもしれない。
Cにチケットの予約を任せて、自分は音速で荷造りをした。
Cはだいたい前日には準備を終えている。

準備を終えたのが、10時10分。
中国の良くないネット環境のせいで、Cはチケットを取りあぐねていた。

「とりあえず空港に行っちゃおう。席が残ってたらその場で取れるし」

宿のお母さんにタクシーを呼んでもらい、その間に支払いなどを済ませた。
タクシーが来たのは、10時20分。
すぐにでも出発にしたかったが、お母さんは何を思ったのかスマホの翻訳アプリを起動させ「何か日本語で話してみてちょうだいよ」嬉しそうに絡んでくる。

お母さん。ごめんなさい。
今はそういうのいいです。

何日も泊まらせてもらったので冷たくあしらうのも申し訳なく思い、ちょうどお腹が空いていたこともあり「朝食」と画面い向かって大きく叫んだ。

するとお母さんも真似して「朝食」とぎこちない日本語で言った。
そして「今のは、朝の食事のことね」と、日本語がちゃんと翻訳されたことが嬉しかったらしく、タクシーに乗ろうとする自分を止めてガッツポーズをして見せた。

お母さん。
もう本当その辺にしてください。
時間がないんです。

半ば強引に別れを告げ、タクシーに出発してもらった。

「できるだけ急いでください」

「わかった。でも50分はかかるぞ」

この時、10時30分。
ということは着くのは11時20分。

国内線だとおそらく30分前にはチェックインカウンターが閉まる。
つまり11時半に閉まる。
着いてからチケットを取るとなるとおそらくアウト。
タクシーの中で、自分はなんてバカなことをしたのだろうと心底悔やんだ。

昨日の夜、大理の店で買ったばかりの栓抜を使い「おー。これすごく使いやすいよ」と上機嫌でビールを飲んでいた時、無情にも列車は出発していたと思うと泣けてくる。
栓抜きなんてどれでも同じだよ。

今朝、てっきり今日の夜に出発だと勘違いして「今日は夜までのんびりだね。ソフトクリーム食べに行っちゃう?」と前日に食べた抹茶ソフトクリームがよほど気に入ったらしく、ニコニコした表情を浮かべながら言ったC。
そんは腑抜けたこと言ってる場合じゃなかったよ。

でも全部もう遅い。

とりあえずダメだった時のことを色々と考えた。
遅くとも明日には中国を出ないといけないから今日は大理空港で一泊して、明日大理からコルカタに飛ぶか。
今日の遅い便でもいいから昆明に飛んで空港泊し、明日コルカタに飛ぶか。
どっちにしてもさらに高額なお金がかかる。

考えてさらに絶望した。

11時15分。
道が空いていたのか予定より5分早く着いた。

Cを置いて、チケットカウンターまで走る。

「昆明の行きのチケットはありますか?」

「12:00発のが、2席あるよ」

「それ全部ください!」

金額を言われて、自分がほとんど現金を持っていないことに気付いた。

「クレジットカードは使えますか?」

「中国のしか使えないよ」

「じゃあATMはどこですか?すぐに引き出してきます」

「この空港にはATMはないよ」

完全に終わった。
チケットも残り2席あるのに、お金が払えないなんて。
そう思っていると横からCが「空港のwifi使ってこの場でネットで取ればいいんじゃない?」と。

その手があったか。
というかなんでそんな冷静なの。
もう少し焦ろうよ。

カウンターの女性にwifiのパスワードを聞いて、急いでチケットを取る。
本当に焦ってるときって指が震えるんだな、と画面にパスポート番号を入力しながら思った。

チケットを取りチェックインカウンターに並んだのが11時25分。
5分前行動。
いや、本当にギリギリだった。

危うく人生で初めて飛行機に乗り遅れるところだった。

飛行機の中で、

「それにしてもすごい冷静だったね。俺は焦って焦って。もう諦めようかと思ったよ」

「私は諦めてたから」

あっ、そうですか。

その後は、昆明での乗り換えもスムーズに行き無事にインド・コルカタへ着いた。
今はコルカタの宿でのんびりと過ごしている。

これからの予定は、とりあえずインドの北東部を周る。

スクリーンショット 2016-06-04 14.44.37

ブータン、バングラディシュ、ミャンマーに囲まれたこのエリア。
ガイドブックにも載っておらず、情報はほとんどない。
とりあえず飛行機には乗り遅れないようにしよう。

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コメント

  1. 青海 より:

    私も大理行ってみたかったな~ってコメントしようと思ってたら、まさかこんな展開になっていたとは!こういうとき2人旅だと心強いというかなんというか…そういうのってあるよね。なんとかなってよかったっすね、ほんと!

    自分もインドではアッサム地方に行くかどうか迷っているので、続きのブログも楽しみにしてます!

    • じゅん より:

      青海さんお久しぶりっす!
      大理も良かったですが、建水も最高でしたよ。
      危うく飛行機に乗り遅れるっていう貴重な経験をするところでした。

      青海さんもアッサム地方に行く予定なんすね!
      謎多きとこなので、気をつけて行きます。