普段、眼鏡やコンタクトをしている人で、世界一周を機にレーシックを考える人は、多いと思います。
自分も左右どちらも0.01とかなり目が悪く、悩んだ末レーシックを受けに行きました。
しかし検査の結果、適性が合わず受けられませんでした。
そのとき、レーシックについていろいろ調べたので、大事なポイントを二つ書きます。
角膜の厚さを知る
一つ目は角膜についてです。
まずレーシックとは、「レーザーで角膜を削ることで視力を回復させる手術」のことです。
このとき角膜の表面に「フラップ」と呼ばれる蓋をつくり、その下の実質層にレーザーを当てます。
角膜の構造は複雑なのでここでは簡略化。
日本人の角膜の平均的な厚さは520μm。
作成するフラップはおよそ110μm。
ここで大事なことが一つあります。
それは、術後、280μm以上の角膜がないとまずい、ということです。
これを下回ると、コントラストに異常がでたり、その他いろいろな問題が起こりやすいと言われています。
つまり、
520μm-110μm(フラップ)-削る量>280μm
でないといけません。
どれくらい削るのか
角膜の削る量は、おおよそ計算できます。
コンタクトを使用している方は、箱に「D」と書いてあるのを見たことがあると思います。
これはジオプターと言って、角膜や水晶体の屈折力の単位です。
例)-4D -5.5Dなど
そしてDの合計×14がおおよそ角膜の削る量です。
実際に計算してみます。
角膜が500μmで、近視が-4D 乱視が-1Dの人だと、4+1=5
500μm-110μm-(5×14)=320μm
この人の場合は大丈夫そうです。
ちなみに280μmというのは最低ラインなので、実際はこれより多いことが望ましいです。
残った角膜が少ないと、それだけ術後の視力低下が起こりやすいと言われいます。
ちなみに自分の場合は、
角膜が470μmと平均よりかなり少なかったです。
そして近視が-5.5D 乱視が-1Dなので、5.5+1=6.5
470μm-110μm-(6.5×14)=269μm
アウトです。
ちなみに、
一度削った角膜は、二度と元には戻りません。
傷が治るのとは違います。
よく「一度まで無料で再手術します」というのがありますが、
これはもう一度手術をするだけの角膜が、残っていたらの話です。
もともと角膜の少ない人は、おそらく再手術は出来ないでしょう。
暗所瞳孔径を知る
二つ目は暗所瞳孔径というものです。
人は暗い場所では、より光を吸収するために瞳孔が大きくなります。
そして、この暗い場所での瞳孔の直径を、暗所瞳孔径と言います。
なぜこれが重要かと言いますと、ハロー・グレアと大きく関係しているからです。
ハロー・グレアとは
レーシックの後遺症で最もよく聞くのがハロー・グレアです。
どちらも夜間に症状が出ます。
ハローは光がにじんで見え、グレアは光がギラギラと眩しく見えます。
このハロー・グレアが出やすいかどうかが、上述の暗所瞳孔径で決まるのです。
図は、レーザーの直径と瞳孔を比較したものです。
レーザーの直径は機械にもよりますが6mm~6.5mmです。
昼間は瞳孔が、レーザーの照射範囲の中に入っています。
逆に夜間は瞳孔の方が、大きくなっています。
これだと瞳孔の中の、照射された部分とされていない部分で、光が乱屈折します。
これこそがハロー・グレアです。
逆に言えば暗所瞳孔径が6mm以下ならば、理論上はハロー・グレアは起こりません。
ちなみに自分は8.8mmでした。
非常に起こり安いです。
ただ、暗所瞳孔径は若い人の方が大きいです。
なのでこれから小さくなる可能性もあります。
また、ハロー・グレアも時間の経過とともに治る(というか慣れる)らしいです。
自分は怖くて受けませんでした。
最後に
とりあえず、角膜の厚さと暗所瞳孔径について、かなりざっくり書きました。
具体的な数字を出しながら説明したのは、医者の方からこういう数字を言わないケースがあるからです。
自分も暗所瞳孔径については、ほとんど説明されず「まあ大丈夫ですよ」と勧められました。
「再手術しようと思ったら、それだけの角膜が残っていなかった」
「いつまでもハロー・グレアが治らない」
という話もたまに聞きます。
目は一生のものですので、ご自身でもお調べになって、本当にリスクがないのか医者に確認して受けてください。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。