ケルキラ島で廃墟を満喫し、次に向かうのは「カランバカ」。
カランバカは、世界遺産「メテオラ修道院群」の観光の拠点となる街だ。
ケルキラ島からカランバカへは週に2本バスが運行している。
途中のイグメニツァまではバスごとフェリーに乗せて海を渡る
バスごとフェリーに乗せる移動はたまにあるが、その度に思う。
バスでは絶対に酔わないが船ではほぼ確実に酔う人間が、このバスごとフェリー移動の際にバスの中にいたら酔うか否か。
もちろん揺れはフェリーのそれだが、気持ちはバスの中。
乗り物酔いが三半規管の異常だけでなく心理的な影響も少なからず関係しているのなら、この方法で酔いを防げるような気がしてならない。
まあ、検証にも値しない些細な疑問だが。
イグメニツァから4時間ほど走りカランバカに到着。
ここで世界遺産メテオラをさらっと紹介しておこう。
メテオラとは奇岩の上に建つ修道院。
現在、修道院は6つありそれぞれ中を見学することができる。
修道院によって休館日が違うが土日は全ての修道院が開いているパーフェクトな日。
こんなところだろうか。
同じ宿に日本人の男性がいたので、一緒に観光することにした。
名前を忘れたので、というかそもそもお互いに名乗ったかすら忘れてしまったので、後藤さんということにしておく。
カランバカの街からメテオラの中で一番大きな修道院まではシャトルバスが運行している。
自分も後藤さんもこのバスを利用するつもりでいたが、宿の共有スペースにいた欧米人達が「あのバスは利用価値がない」とか「徒歩でも6時間あれば全ての修道院を周れる」などと言い出すので、その場がバスを使う奴はナンセンスみたいな雰囲気になってしまった。
というわけで自分たちも歩いて周ることにした。
で、結局7時間かかった。
それでも行けたのは6つ中4つ。
原因は自分。
後藤さんはとても痩せていて、正直運動している体型には見えなかった。
歩きながらずっと後藤さんの体力を気にかけていたが、先に力尽きたのは自分だった。
聞くと登山が趣味らしく、日本でもあちこちの山を登っていたらしい。
それで体力があるんですねと言うと、どうも違うらしいのだ。
もともとは何も運動などしていなかったが、病院で検査したときに肺機能がとんでもないことが偶然わかり、医者から何もしないのはもったいないとしつこく言われ、登山を始めるに至ったのだそう。
生まれつき無尽蔵な体力の持ち主だったというわけだ。
そして登山が趣味というだけあり高所への慣れが半端ではない。
自分なら思わず足がすくんでしまいそうなところにもガンガン攻めて行き、うっかり足を滑らせようものならもれなく死亡保険が発動するであろう崖っぷちでも、「この辺はまだ余裕だよ」と自慢するでもなく得意になるでもなく、ただニコッと笑っていた。
そんな後藤さんの足を引っ張りまくってしまったメテオラ観光。
あとは写真で紹介する。