それでもそこへ泊まりたい。

15時半。
ランカウイ国際空港に着いた。
この空港にはボーディングブリッジがなく、飛行機を降りたらターミナルまで歩いていく。
その50mほどの間、肌に突き刺さるような強い日差しに、南の島へ来たことを実感した。

今日のゲストハウスへはタクシーで向かう。
ランカウイ島のタクシーはメーター制ではく、行き先ごとに料金が決まっている。
前もって空港内あるチケットカウンターに行き先を告げ料金を払う。
すると行き先の書かれたチケットがもらえ、これを外にいるドライバーに渡すと連れていってくれる仕組みだ。
ぼったくりの心配がないので安心して乗れる。

ランカウイ島は、空港の南側にメインのビーチがあり、それに沿って高級ホテルや格安のゲストハウスが建ち並んでいる。
おそらくほとんどの旅行者がこの辺りに泊まるのではないだろうか。

だが、今回はあえて空港の北側、周りに何もないようなゲストハウスを予約した。
それは翌日、リペ島へ渡るためのフェリーターミナルが空港の北側にあるからだ。
別に南側のビーチ沿いに泊まっても全く問題はないのだか、少しでもフェリーターミナルの近くに泊まり、謎の安心感を得たかったのだ。

空港を出ると、タクシーに寄りかかり暇そうにしている男にチケットを渡した。
男はチケットを見ると一瞬顔をしかめ、近くのドライバーと何やら話始めた。

「この場所どこかわかるか?」

「これなら多分あっちの方だ」

「知ってるならお前が行ってくれないか」

「無理だ。とりあえず行けばわかるだろうから、お前が行け」

みたいな会話に聞こえなくもなかったが、出来るだけ気にしないようにした。
と言うより、もはやタクシーがすんなりと目的地まで運んでくれるとは思っていなかった。

今日のゲストハウスは空港から車で15分と書いてあった。
それにメインのビーチとは真逆の方向。
途中で迷う可能性は十分にあった。

さらにもう一つ不安なことがある。
宿の口コミに「海が目の前でとても良かったです」と書いてあるのに、地図を見ると海からかなり遠くにあるのだ。
地図が間違っているとは思えない。
と言うことは、口コミの主の距離感の認識の問題なのか。

そんな不安をよそに男はタクシーを走らせた。
15分ほど走しり地図を確認すると、だいぶ宿の近くまで来ているようだった。
周りに大きな建物はなく、田園風景が広がっている。
時おり、小さな商店の前を通りすぎると、店の前の小さな椅子に数人の農夫が腰掛け、ビールを飲みながら楽しそうにお喋りしているのが見えた。

風景だけ見てるとなんとも牧歌的で癒されるのだが、今の状況を加えるとあまりそういう気持ちにはなれない。
男は明らかに迷っており、人を見つけては宿の場所を聞いていた。
しかし、宿はこの辺のはずなのに地元の人間が誰一人、場所を知らないのだ。

男は明らかにイライラした様子で「ホテルの電話番号は?」と聞いてきた。
しかし、予約サイトには住所だけで電話番号は書いてなかった。
その場で調べようにも、wifiがないのでネットに繋がっていない。

そこで男の携帯を借りて調べた。
すると、宿の電話番号が出てきたので掛けてもらった。

最初は地元の言葉で場所を聞いているようだったが、突然、自分に携帯を差し出し「英語は話せるか?」と聞いてきた。
相手は英語で話しているのか、と思いながら「いや、あまり話せない」と答えると男は電話を切ってしまった。

そして「本当に電話番号はあっているのか?」と聞いてきたのでもう一度調べ直してみると、なんとさっきの番号はアフリカにある全く同名のホテルの番号だった。
それを伝えると「俺はアフリカの人と電話しちまったのかなんてこった。」みたいな感じでとてもご機嫌になった。

そしてそのご機嫌モードで「この近くに友達がいてかなり詳しいから、そこで聞いてみよう」となった。
最初からそうすれば良いのに。とは思ってはいけない。

友達と言うのはコインランドリーの主人で、くるくると回る乾燥機を暇そうに眺めていた。
そして男が近づいていき、宿の名前を言うと、「そんなホテルはない」と、一蹴されてしまった。
友達冷たい。
そして、男は再び不機嫌モード。

このとき時刻は18時を過ぎていた。
15時半過ぎにタクシーに乗ったので、2時間半もさ迷っていることになる。

男はついに諦め、空港に戻ることを提案した。
ちょうど自分も同じことを考えていた。
このまま暗くなるまで探し続けるのは避けたい。
それならこの宿は諦めて、空港で別の宿を予約しよう。と。

男の提案を了承し、空港へと引き返した。
空港に着くと男は「ここで待ってるから、宿を予約したら来なさい。連れていってあげるから」と言ってきた。

さらに「またチケットを買うのは面倒だろうから、今ここで20リンギット払いなさい」と。
確かにチケットカウンターまで行くのは面倒だと思い、その場で男に支払った。

そして空港に入り、別の宿を探した。
確かにビーチ沿いには安宿がたくさんあった。
この中から適当に決めようかと思ったが、どうしても今日の宿が頭から離れないのだ。

これだけ探して見つからない宿とは、一体どんな宿なのだろう。と、気になって仕方ない。
気付くと別の宿の予約ではなく、今日の宿の情報がもっとないかと調べていた。

すると、予約したサイトとは別のサイトにもその宿があった。
しかも地図をみると、なんとその宿は海の目の前に位置していた。

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