23時半。
クアラルンプール国際空港に着いた。
旅の初日にもトランジットでここへ来たが、10日前のこととはとてもは思えない。
遥か昔に感じられる。
世界一周を始めて思うのが、時が経つのが恐ろしく早いということ。
夜、ベットに横になりこれまでの出来事を思い出すと、今朝のことが昨日ことのように、昨日のことが一週間も前のことのように思えるのだ。
仕事をしていた時は金曜日になると、憂鬱な気持ちで出社した月曜日が昨日のことのように感じられたが、一体何が違うのだろう。
まあそんなわけで気持ち的には、かなり久しぶりにクアラルンプール国際空港に来たわけだ。
が、これと言ってすることがない。
時間も時間なので、とりあえず横になれそうな場所を探してみるが、空港内にいくつかある雑魚寝スペースは、全て先客たちで埋まっていた。
あたりを見回すと、自分のようにあぶれた人たちが、椅子に腰掛けたりそのまま床に横になって眠っている。
バックのチャックに南京錠をかけそれをワイヤーで柱と結び、自分も地べたに寝転んだ。
初めは床の固さが伝わって痛いが、それに慣れると今度は冷たさが伝わってきて、これが意外と心地よいのだ。
ほどなくして眠りについた。
朝5時。
目を覚ますと身体中が痛い。
やっぱり床で寝るもんじゃない。
人が多くなり心なしか変な視線も感じるので、急いで支度をしバス停に向かった。
空港から市街地へはバスでおよそ1時間。
バスの座席の方が、空港の床よりも何百倍も快適に眠れた。
8時ごろホテルに着いた。
チェクインが14時なのでかなりのフライングだ
荷物を置き、ロビーで待つことにした。
チェックインまでの6時間、無料の紅茶を飲み続けた。
途中、日本人の男性が来て色々な話をしたが、覚えているのは彼がタイにすんでいることと、休暇を利用してマレーシアに旅行に来ているということだけだ。
あまりに紅茶が美味しくて、会話どころではなかったのかもしれない。
夕方、少し疲れも取れたので「ペトロナスツインタワー」を見に行った。
世界一の高さを誇るツインタワーらしい。
日本で言うところの、スカイツリーみたいな感じだろうか。
タワーまでは鉄道で10分ほどで着いた。
大きすぎる。
見てるだけで首が痛い。
高い。綺麗。格好いい。
ホテルに戻り夕食を取ることにした。
近くにチャイナタウンがあったので行ってみる。
食べ物以外にも時計やバックなども売っている。
客引きがしつこくなく、のんびりと見て回れる。
何件か見て回った後で、適当に屋台に入った。
メニューを見て、そういえば最近ちゃんとした野菜を食べてないなと思い、野菜炒めを注文した。
すると出てきたのは、具がチンゲン菜とニンジンだけの野菜炒めだった。
しかも比率が9対1くらいで、お皿がチンゲン菜に埋め尽くされている。
ところどころニンジンが顔を出していて、その配色がなんとなく索子に見えなくもない。
出典:http://mahjong-dream.com/words/
こうなるとさっさとニンジンだけ食べて、緑一色を炸裂させたくなる。
親で48000点、子で32000点だ。
出典:http://www5.plala.or.jp/bigfire/hakaba/work/topgallaly/topg_11.html
そんなしょうもないことを考えながら、索子炒めを食べているとあることに気づいた。
やたらと油っこいのだ。
もちろん野菜炒めだから油は使うのだが、その量が尋常じゃない。
お皿に少し残ってるとかのレベルじゃない。
張ってる。
油がお皿に綺麗に張っているのだ。
そしてチンゲン菜が「湯船」ならぬ「油船」に気持ちよさそうに浸かっている。
これが普通なのか。
自分がこれまでの人生で食べた野菜炒めがヘルシー過ぎるのか。
と、自問自答しながら食べ進め、翌朝、盛大にお腹を下した。