追い抜き過ぎにご注意を。

今のホテルは居心地が良い。

朝食はビュッフェ。
中庭にプール。
メインストリート沿いという好立地。

ホスピタリティーの高さ。
加えて、1泊1000円という価格。

世界一周なんていいから、ここに住んでしまおうか。
気づかないうちに、そんなことを思ってしまっているかもしれないくらい居心地が良い。

そんなホテルに一泊だけし、街の3km北にあるウブンバスターミナルへと向かった。
着くとすでに5,6台の大型バスが停まっており、近くの椅子には地元の人が大勢座って、バスの出発を待っていた。
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自分も同じく腰掛ける。
見たところ他に観光客はいないようだ。

自分が乗るバス。
IMG_20160408_134620
かなり大きくて快適そうだが、フロントガラスの割れ跡が気になった。
木にでもぶつかったか。
いや、その程度ならいいのだが、もしや武装集団にでも襲撃されのでは。
そんな不安が一瞬、胸をよぎる。

14時。バスは時間通り出発した。
これからジョグジャカルタまで約20時間のバスの旅が始まる。
スクリーンショット 2016-04-06 15.45.33

IMG_20160408_135837
なんと貸切。
こんな大型バスを貸し切り状態で走らせて、果たして採算は取れるのかと疑問に思った。

が、出発して一時間ほど走ると、どう見てもバス停があるようには見えない小さな商店に停まり、何人か乗ってきた。
その後も酒屋、服屋、雑貨屋など色々なとこに停まっては人を拾い、気づくとほぼ席は埋まっていた。
まるで路線バスのようだ。

やがて雨が降り始めた。
バリ島に来て初めてだ。
次第に雨はその強さを増し、日本でも滅多に降らないような豪雨になった。

そして、なぜか自分の席だけ狙い打ったかのように雨漏りした。
カーブの遠心力で、屋根に溜まった水が窓を流れ落ちると、同時に天井からぽたぽたと雫が腕に落ちる。

17時半。
雨は止みバスはバリ島の西端、ギリマヌクに着いた。
ここからジャワ島の東端、クタパンへはフェリーで渡る。
スクリーンショット 2016-04-10 13.53.39

バスごと乗せたフェリーはゆっくりと出航した。
雨は止んだが空は雲に覆われており、時折雷がなっていた。
周りには同じようなフェリーが何隻も行ったり来たりしている。
IMG_20160408_183415
デッキから海を眺めるのに飽き、船内に入ると皆椅子に腰掛けテレビを見ていた。
画面の中では、インドネシアのミュージシャンらしき女性が一人、歌いながら踊っている。

ふと、この曲やたらと長いなと思った。
そして、そう思うくらいの長い時間、この女性は歌い踊り続けていることに気づいた。
そうなるとこの女性がいつまで踊り続けるのか終わりを見たくなったが、結局それを見届けることなくフェリーはクタパン港に着き、バスは再び走り始めた。

仄暗い中を1時間くらい走ったところで、サービスエリアのようなところに停まり、そこで夕食をとった。
IMG_20160408_204204
ご飯に色々なお惣菜を乗せた、ナシチャンプルというもが出た。
食べ始めて15分くらいで、ドライバーから出発の号令がかかり、急いで残りを掻きこむ。
他の人はすでに食べ終えバスに乗り込んでいた。
インドネシア人、食べるの早い。

夜8時を過ぎ特にやることもないので、ブランケットをかけ寝る体制に入る。
ところが、なぜかこのタイミングでバスは突然スピードを上げた。
出発してからずっとのんびりと走ってきたのに、まるで人が変わったようだ。
文字通り人が変わっていないかドライバーを確認したが、相変わらず穏やかそうなおじさんだった。

ちなみに、このバスにはドライバーが3人乗っている。
最初は、順番に睡眠をとり交代で運転するのかと思ったが、見ていると3人でずっと喋り続けている。
特に一番左のおじさんの笑い声がとにかく大きく、寝静まりそうな空気の中で彼の声だけがこだましていた。

で、運転している穏やかそうなおじさんだが、片側一車線の真っ暗な山道をとんでもない速さで突っ走っているわけだ。
当然、すぐに前の車両に追いつく。
そして、その車両のほとんどが大型トラックなのだ。

なので追いついたら、車体の半分くらいを反対車線に出し、対向車の有無を確認する。
対向車がいなければそのまま抜き去る。

怖いのは追い越している最中に対向車が来ることだ。
この場合、加速か減速をしてもとの車線に戻らなければいけないわけだが、このドライバーはほぼ加速する。

つまり正面から来る大型車に突っ込んでいく感じになるのだ。
何回かは、追い越した瞬間に対向車とすれ違うこともあり、これが本当に生きた心地がしない。
そんなわけで車線変更やら急加速を繰り返しまくるバスの中では、ほとんど眠ることができない。

時刻は午前2時。
12時間ぶっ通しで運転していることになる。
相変わらず他の二人と楽しくお喋りしながらの運転んでもうわけがわからない。
いっそこのまま喋り続けて、眠気を紛らわしてくれと願うばかりだ。

朝8時。
ジョグジャカルタに着いた頃には、寝不足で頭がぼーっとしていた。
が、とりあえず生きて辿り着けたことで一安心。
ホテルにチェックインして、音速で寝た。

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コメント

  1. Passoa より:

    東南アジアのバスの運転手って結構派手な運転しますよね~
    特にフィリピンのバスが、「何人たりとも俺の前は走らせねえ」な走りで
    私も生きた心地がしなかったです・・・

    • じゅん より:

      フィリピンもそうなのですね。。
      あまりの荒々しい運転に、事故を起こしてからの行動を本気で考えてしまいました。