喧騒の向こう。

朝6時に起き、再びサヌールビーチへと足を運んだ。
昨日の目的は青い海だったが、今日は日の出だ。
島の東側に位置するサヌールビーチでは、とても綺麗な日の出が見られるらしい。

先日、タナロット寺院ではサンセットを拝めなかったので、今回こそはと期待に胸を膨らませビーチへと向かった。

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朝早くにもかかわらず、たくさんの人が集まっている。
昼間よりも断然人が多い。
それだけ綺麗なのだろう。

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山のシルエットが美しい。
が、この時点で嫌な予感しかしない。

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予感的中。
分厚い雲の壁が、太陽の紫外線をばっちりカット。
二度あることは三度ある。次もきっと見れないだろう。

一晩考えてジョグジャカルタへは、バスで行くことにした。
考えたというより、朝起きて「もうバスでいっか」みたいな感じだ。
しかし、それには飛行機がなんとなく面倒くさいという理由もあった。

荷物一つ預けるのに長蛇の列に並ぶし、金属探知機にやたらと引っかかるし。
あとこれは完全に自業自得なのだが、出発当日の羽田空港でおでこに冷えピタをしたままチェックインをしたために、「お客様、体調が悪いのですか?一階の病院で医師の診察を受けてきてください。場合によっては渡航を許可することはできません。」みたいこともあった。

そんなわけで、お昼前にバスの発着所があるデンパサールへやってきた。
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サヌールからデンパサールへは、タクシーで15分。
ドライバーに「ジョグジャカルタまでバスで行くなら、今日はここで一泊して明日向かうといい」と言われそうすることに。
とりあえず今日はバスのチケットを取ることだけを考える。

ホテルに着き中へ入ろうとすると、後ろから「コンニチハ、ゲンキデスカ」と声が聞こえてきた。
振り向くと、花壇に腰を下ろしたおじさんが、ニヤニヤしながらこちらを見ていた。
怪しい。とりあえず無視。

部屋に荷物を置き、近くの観光案内所に行った。
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「すいません。ジョグジャカルタまでバスで行きたいのですが」
「バス?飛行機じゃなくて?」
「バスです」
「バスだど最低2日はかかる。飛行機なら1,2時間で着くぞ」と、職員苦笑い。
「それでもバスで行きたいんです。チケットはここでは買えないのですか?」
「ここにチケットはない。ホテルで聞いてみるといい」と言われ、来た道を戻ることに。

すでに気温は30度を超え、歩いているだけで体力を奪われる。
ホテルに着くと再びおじさんが「アシタハ、オヤスミダネ」と嬉しそうに声をかけてくる。
明日は金曜日だが。はて。

フロントでさっきの会話を繰り返す。
「すいません、バスで・・・」
「バスだと?飛行機で行けば・・・」
「いやどうしても・・・」
「ここではチケットは取れない。観光案内所に行ってみてくれ」

仕方なくホテルを出る。
途方に暮れていると、本日3度目のおじさんが嬉しそうに手招きをしている。
藁にもすがる思いで、事情を説明した。

すると「ちょっとこっちへ来なさい」と言われ、大通りまでついていく。
「あそこに噴水が見えるだろ?」
DSC00858「あの噴水の二つ先の交差点を右に、次の交差点を左に行くんだ。そしたらツアー会社がたくさんある。そこでバスチケットが買えるはずだ」

ホテルのフロントよりも観光案内所よりも詳しいこのおじさん。いったい何者。
とにかく今は感謝しかない。
おじさんの言った通りの道を、炎天下の中ただただ歩く。

20分ほど歩くと、バスの写真がデカデカと貼られた店があった。
中で座っている男に「ここでチケットは買えますか?」と尋ねると、
「ああ買えるよ。そこに座って」と促された。

それからバスの出発時間や集合時間などの説明を受け、ついにチケットを手に入れた。
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チケットを手に入れホテルに戻ると、特にやることがないことに気がついた。
地図を広げるとホテルの近くに、巨大な市場があった。
「デン」は北、「パサール」は市場を意味する通り、市場こそがデンパサール最大の見所らしい。

シャワーで汗を流し、再び炎天下の街へと繰り出した。
市場までは歩いて20分ほど。

途中、幾度となくタクシーがクラクションを鳴らしながら、自分の前方に停車する。
その度に「ああ、またか」と思いながら、両腕で大きなバツを作り、タクシーが必要ないことを伝える。
初めこそタクシーまで駆け寄って、「ノーサンキュー」と言っていたが、こっちの方がずっと楽なことに気づいた。

やがて市場らしきところに着いた。DSC00866
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見たこともない野菜、果物、香辛料が高く積み上げられ、それらの香りが混ざり合い、強烈な匂いとなって鼻をつく。
狭い道を数メートル歩くたびに「これどうだい」と声をかけれる。
話を聞いていると、正面から竹籠を頭に載せた女性が何人も歩いてきてなんとかすれ違う。

市場全体が熱気に包まれ、数十分も歩いていると人いきれに思わずむせ返りそうになる。
これが市場というものなのか。

市場を抜けると、静かな川に架かる橋へ出た。DSC00867
ここで少し橋涼み。
顔に当たる風がとても心地よい。

橋を渡り川の西側へ来ると、そこは別世界のように感じられた。
同じく市場が広がっているのだが、こっちは本当に地元の人のための市場という感じなのだ。
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見たところ、自分たちの他に観光客はいない。
自分たちがこの場にいることに、違和感すら感じる。
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バリに来てまだ6日だが、こんなに人がいて誰からも声をかけられなかったのは初めてだ。
観光地じゃない、もう一つのバリの姿を見た気がした。

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