ブエノス・アイレスでケチャップ強盗(未遂)に遭ったので、その時のことでも書きます。
アルゼンチンの首都ブエノス・アイレスでは、ケチャップ強盗の被害が度々報告されています。
まず、ケチャップ強盗の手口ですが、これはとてもシンプル。
1.知らぬ間にケチャップのような液体をかけられる(ケチャップではない)。
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2.「あらあら、何かついてるわよ」と親切そうな人が近づいてきて拭いてくれる。
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3.気づいたら貴重品がなくなっている。
以上の3ステップで完了。
これだけ見ると少し注意していれば引っかからなそうですが、どう見ても安全そうな白人の婦人が声をかけてきて、拭くのを手伝ってもらっていたらクレジットカードを盗られてしまったとか、さっきまで仲良くしてた外国人カップルが助けに来てくれたと思ったら財布を盗られたとか、タクシーに逃げ込んだらそのドライバーもグルだったとか。
相手もなかなかの人海戦術を使ってきます。
唯一無二の対策は、ケチャップをかけられて以降話しかけてくる人間を一人残らず無視すること。
もし本当にただの親切な人だったらどうしようとか考えず、親切にしてくる人に良い人はいないくらいに考えること。
人間不信くらいがちょうど良いです。
以上を踏まえた上で、実際にケチャップ(ではない)をかけられた時のことを。
場所はレティーロ駅の近くのバス停。
路線バスを待っていた時、足に温かい感触がしたので見てみると、深緑色の液体がリュックからふくらはぎにかけてべっとりとかけられていました。
最初は鳥の糞かと思いましたがリュックの底にも液体が付いたので、相当のアクロバット飛行をしながら糞を撒き散らさない限りこんな付き方はしないなと思い、ケチャップ強盗だと気がつきました。
背後には、上下とも薄汚れたよれよれの服を着た50代くらいの男が、一人ベンチに座っていました。
その男はこちらに視線に対して目を背けることもせず、気持ち悪いぐらいにパッチリと開いた目でこちらをじっと見てきて、それがとても気持ち悪かったです。
あ、やられたなと思いました。
きっとこの後、何人もの人が親切を装って近づいてくるんだろうな。
ああ、面倒くさいな、と思いました。
ところが、その場から数百メートルほど移動して、別のバス停から何事もなく宿に帰ることができてしまいました。。
誰からも声をかけれることなく。
これを考察するに、ケチャップをかけられた時にその場で拭かずにまず移動したことで、犯人は「こいつケチャップ強盗の手口わかってるわ」と思い、それ以上絡んでこなかったのかと考えます。
というわけで対策を追加。
ケチャップをかけられたらその場では拭かず、宿に戻るかレストランなどの安全な場所に入りましょう。
犯人もおそらく数撃ちゃ当たる作戦だと思うので、こいつからは盗れない判断したらすぐに次のターゲットにケチャップをかけに行くと思われます。
今回は何も盗られずそれ以上の危ない目にも遭わずラッキーでした。
ただ、ケチャップと呼ばれるその液体は吐き気を催すほど悪臭です。
新品の服や大切なバッグにかけられると精神的ダーメジ大です。
それから万が一カメラを肩から下げていて、それにかけられたら最悪です。
くれぐれも注意してください。
それから自分が被害に遭ったレティーロ駅周辺ですが、あまり治安が良くありません。
近くには大規模なスラムもありますが、絶対に興味本位で入ってはいけません。
レティーロ駅から長距離バスターミナルへ移動する時にスラムの入り口があります。
明らかに他と雰囲気が違うのですぐにわかると思いますが、くれぐれもカメラなど向けないように。
以上です。
ケチャップ強盗に気をつけてブエノス・アイレス観光を楽しんでください。