エルチャルテン〜ロスアンティグオス〜チレチコ。

今、エルチャルテンという町にいる。
ここ。だ。
南米に来て早くも2ヶ月。
あまりにも現在地が南すぎることに若干の焦りを感じつつ、ここから南米大陸をぐんぐんと北上をしていく。
さて、ぐんぐんと北上するにあたり、ルートをどうするか非常に悩んでいる。
まず1つ目は、このままアルゼンチン側を北上してボリビアに入るルート。
2つ目は、どこかでチリに入り、チリ側を北上してボリビアに入るルート。
3つ目は、どこかでチリに入り、チリ側を北上しボリビアに入ると思いきや、直前でアルゼンチンに戻りボリビアに入るルート。
3つ目のルートは一見意味不明だが、ちゃんと合理的で納得のいく理由がある。
悩んでいる一番の理由は、3つのルートのどれも良いし、どれでも良いということ。
つまり、どのルートも「これで行こう」と即決するに足る決め手にかけるのだ。
かれこれウシュアイアにいるときから二人でどのルートにするかの議論を交わしてきたが、結局次回持ち越しを繰り返し、とうとう決断しなけらばならない時まで来てしまった。
アルゼンチン側を北上するなら「バリローチェ」、チリに入るなら「ロスアンティグオス」。
 移動を翌日に控え、エルチャルテンのバスターミナルに向かう。
チケットカウンターを目前にしても二人して決めあぐねており、これはもうジャンケンかくじ引きで決めるしかないと思ったところ、なんとロスアンティグオス行きのチケットが二枚で買うとお得になるセールをやっていたので、これを理由に無事チケットを取ることができた。
アルゼンチン側を北上した場合、チリ側を北上した場合、それぞれにかかる費用や日数をけっこう真面目に試算していたが、結局決め手になったのはチケットのセール。
積み重ねられた議論は意味をなすことなく崩れ散った。
行き先が決まり、当面の目的地はチリの首都・サンティアゴ。
約3000kmの大移動である。
まあ、当面と言ってもこのブログをもってすれば、次回の記事でおそらくサンティアゴに着いてしまうわけだが。
では、行こう。
エルチャルテンからロスアンティグオスのバスは、週3便(月 水 金)。
夜7時に出発して翌朝7に到着。
料金は、1人1100ペソ。
2人だと1800ペソ。
実はこの移動、今回の旅の中でも記録的に辛い移動だった。
 別に道路が悪かったわけでもバスがオンボロだったわけでもない。
舗装された道を走るし、バスはトレイにドリンクサーバー付き、リクライニングもバッチリ。
単に自分の体調が悪かったのだ。
長時間移動の前日はお腹のことを考えて、お腹のことを考えた食事を摂るようにしている。
今回は夜行でしかも12時間移動だったので、
朝 おかゆ(塩)
昼 パン (無味)
の、最強タッグで100パーセント腹痛を回避できるはずだった。
夜7時。
定刻通りエルチャルテンを出発したバスの中では、夕食のサンドイッチが配られた。
サンドイッチには、元来食パンの耳を取り除いた柔らかい部分を使用すると思っていたが、ここで出されたサンドイッチにはまるで食パンの耳だけ寄せ集めたような堅牢なパンが使われていて、しかも具はやる気の無さそうなハムとチーズ。
調味料として小袋に入ったケチャップも付いていたが、とても開けにくく無理に開けると座席に飛散する可能性があったので、捨てた。
正直、このサンドイッチには「これ大丈夫か?」というような疑念は微塵もなかった。
南米のバスはクオリティが高い。
その南米バスで配られる食事なのだから、お腹を壊すはずがない。
百歩譲って味が良くないとしても、衛生面は常人が食べることを想定しているに違いない。
一応30回から50回ほど咀嚼し跡形もなくしてから胃に流し込み、リクライニングシートを全開に傾けて寝た。
夜0時。
キリキリとお腹が痛むのを感じて目を覚ました。
あ、これヤバイやつだ。
一級腹痛鑑定士の自分には、最初に訪れる腹痛でそれが後にどの程度の下痢と腹痛を伴うのかおおよそ予想ができる(嘘)。
地震で言う初期微動。
つまり、プライマリーウェーブだ。
今回のそれは相当なものだと予想された。
そして予想通り、程なくして激しい腹痛に襲われた。
リクライニングを戻し膝を抱えるように座り、じっと痛みに耐える。
痛みと同時に、昨日南京虫に噛まれた両腕が痒い。
波が押し寄せたり引いたりが30分ほど続いたが、まるで数時間のように感じられた。
これが相対性というやつか。
それから最後列の隣に備え付けられているトイレにこもった。
ところがこのトイレ、電気が点かなかった。
じっとりと湿気の多いトイレ。
暗闇の中、スマホのライトを点けてじっとこらえる。
痛みは引くことなく、加えて冷や汗が出てきた。
さらに寒気と吐き気を感じ、体がガクガクと震えた。
時折激しく揺れるバス。
ずっと下を見ていたので、だんだん酔ってきた。
顔を上げ正面の鏡をライトで照らす。
暗闇に浮かぶ自分をよく見ると、顔から首にかけて蕁麻疹が出ていた。
スマホの画面を見るとバッテリー残量15%。
なんだ、この絶望感。
モウイヤダカエリタイ、と本気で思った。
ほんの少し波が引い隙に、座席に戻りモバイルバッテリーを回収し、速やかにんトイレに戻る。
そうして、夜な夜な真っ暗なトレイで悶え苦しんだ。
この時の症状をあげると、
腹痛、下痢、吐き気、痒み(南京虫)、痒み(蕁麻疹)、乗り物酔い、寒気、
何か万能薬の効能のようにも見える。
朝7時。
ロスアンティグオスに着いた。
ここから国境を越えチレチコという町に移動する。
距離は約15km。
ミニバスのようなものが運行してるらしいが、またいつお腹が痛くなるかわからなかったので、軽く衰弱した体に鞭を打ち15km歩くことにした。
アルゼンチンを出国し歩くこと2時間、チリに入国した。
チレチコの街まで残り約7km。
税関を過ぎると欧米人のバックパッカーが「一緒にタクシーをシェアしてチレチコまで行かない?」と声をかけてきたので、「いや、歩きたいです」とは言えず、みんなでタクシーを使うことにした。
チレチコはとても小さな町。
町のはずれに展望台がある以外はこれといった見所はないが、どこかとても落ち着ける。
弱り切った体を癒すにはちょうど良い。
チレチコでは3日間過ごしたが、初日に一匹の犬と仲良くなり、そいつにジョンという名前を付けてよく一緒に行動していた。
ジョンは本当に良いやつだった。
歩くときは常に自分達の少し前を行き、常に安全確認に勤めてくれるし、展望台に登る時も階段でハアハア言っていると、ジョンも一緒にハアハアして疲れ切ってくれた。
買い物をするときは店の前でちゃんと待っていて、買い物が終わると一緒に宿に帰った。
さすがに買い物袋を持ってくれることはなかったが、買い物袋の中の肉を羨望の眼差しで見つめていたので、帰ってミルクをあげた。
おいで、ジョン。
いい子だ、ジョン。
チレチコ。
チレチコ。

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